新华社:「植物工場」で農村振興を後押し 中国江蘇省

发布日期: 2021-10-13

 

中国江蘇省南通市の火鍋店ではこのところ、同市初の「植物工場」で栽培されたレタスが並べられるようになった。同工場での野菜栽培は既存の農業生産を刷新し、農村振興の新たな原動力となっている。

同市通州区十総鎮にあるガラス張りの植物工場に入る際には、シューズカバーを付け、エアシャワーなどで消毒する必要があり、栽培基地というよりも大型の実験室に入るようだ。

同工場は敷地面積10ムー(約0.67ヘクタール)で4人のスタッフが年間120トンのレタスを生産している。栽培方法は従来と比べて明らかな優位性があり、土地の広さや環境の制限を受けないため、駐車場や室内で一年を通して大規模な生産が可能になる。

工場の環境は高度に制御され、継続的な農作物生産のための高効率な農業システムを実現している。日光や土壌、農薬は用いず、栄養液や人工光源を使用し、清潔な栽培空間で、コンピューター制御により植物を短期間で急速に生長させている。中国の植物工場は、欧米や日本より遅れて始まったが、ここ数年で急速に発展している。

工場の責任者を務める、北京衆拓星核農業科技の王春亮(おう?しゅんりょう)総経理は「植物工場で栽培された野菜は、食物繊維や水分を豊富に含むため歯ごたえが良く、生食に適している。さらに、栄養液の成分を調整することで、腎臓病患者向けの低カリウム野菜や糖尿病患者向けの低糖質野菜など、機能性野菜の生産が可能になる」と紹介した。

王氏は、理想的な光の照射時間や温度、湿度、二酸化炭素(CO2)濃度を調整することで、育苗期間を大幅に短縮でき、日照不足による苗の徒長(とちょう、茎や枝が必要以上に間延びしてしまうこと)を心配することもないと指摘。通常の栽培効率の8~20倍となる年14回以上の収穫が可能になることで、年間を通じた安定供給の実現と土地の使用效率の大幅な向上につながると説明した。同工場ではさらに、水やりや施肥が1日2回で済む「潮汐(ちょうせき)式かんがい」を採用し、水と肥料の大幅な節約を実現したという。

こうしたメリットがある一方で、課題も残されている。同工場は設備が完全に電化されているため、1日当たりの消費電力が約700キロワット時、夏場のピークには千キロワット時を超える。消費電力の高さと安定した電力供給は、工場にとって早急に解決すべき問題となっている。

送電大手国家電網傘下、国網南通市通州区供電十総供電所の唐国飛(とう?こくひ)所長は、水や肥料、照明システムの安定的な運用を確保するため、ライン巡回点検を毎日実施するほか、配電盤室や内部循環ファンなどの定期検査を実施していると説明した。また、電力供給部門が同工場のために、太陽光発電などの新エネルギープロジェクトにおける消費電力の最適化に取り組んでいると語った。